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Author Yuhei Okazaki

RubyKaigi 2024 参戦レポート - 沖縄でRubyistとアツい交流をしてきました!

2024/05/24

今年参加したメンバー

当社からは以下7名のRubyistが参加しました。

  • 技術本部/技術共創部門 プリンシパルエンジニア/エバンジェリスト 清家 史郎
  • 技術本部/技術創造部門 エンジニア 山路 直人
  • 技術本部/先進技術部門 エンジニア 関口 陽太
  • 技術本部/先進技術部門 エンジニア 西條 未来
  • 技術本部/技術創造部門 エンジニア 森 優斗
  • 技術本部/先進技術部門 エンジニア 多田 信洋
  • 技術本部/先進技術部門 プリンシパルエンジニア 岡嵜 雄平

ちなみに、7名参加は過去最多でした。

これまでの参加レポート

0日目(5/14(火))

5月14日(火)、夕方発の飛行機で沖縄に向かいました。

福岡空港〜那覇空港は所要時間2時間程度でした。

沖縄空港

現地に着くと大雨。なんとかホテルにチェックインして、夕飯を食べに行きました。

この会には当社のメンバーに加えて、社外のRubyistも急遽お招きしました。

オリオンビールが美味しかったです。

 

沖縄らしいものを……ということで、その後にソーキそばを食べに行きました。

沖縄を満喫するという意味でとても良いスタートダッシュを切ることができました!

ソーキそば

1日目(5/15(水))

いよいよRubyKaigi 2024がはじまりました!

会場入口

印象に残ったセッション

Cross-platform mruby on Sega Dreamcast and Nintendo Wii (関口レポ)

Yuji Yokoo 氏

DreamcastとNintendo Wii、どちらでも使用できるmruby用のラッパー(Wrapper)を作成した話です。

C言語のAPIしか提供されていないデバイスに対して、どのようにmrubyでコードを書けるようにするのかという部分は興味があったので楽しかったです。

また、2日目のドリンクアップで登壇者の方とお話しすることができ、内容について質問できたことも印象に残った理由です。(釣りコンはどの方向で振ったかは取得できない、という話が面白かったです)

ラッパーを書いてみたいな〜と純粋に感じました。

それと、自分が低いレイヤの知識が好きだと改めて確認できたセッションでした。

参考: dreampresent

Ractor Enhancements, 2024(関口レポ)

Koichi Sasada 氏

アプローチのアイデアとその実装、そして結果、課題と長いスパンの研究進捗を見ているようで、まるで大学に戻ったような感覚でした。

深い理解にはコンピューターの深い知識が必要になるので、さらに低いレイヤの学びを増やそうと実感したセッションです。

 

余談ですが、この日はKoichi Sasada さんのセッションの他に、Yuichiro Kaneko さんのセッションを見て、コミッターの熱量を全力で感じようと思っていました。

(Small Holl『An adventure of Happy Eyeball  Misaki Shioiさん』のセッションも見たかったのですが、Misaki Shioiさんのセッションは今後どこかでのお楽しみということで……。)

An adventure of Happy Eyeballs(岡嵜レポ)

Misaki Shioi 氏

IPv6とIPv4のデュアルスタック環境での名前解決〜TCP接続の流れにおいて、応答性を向上させる取り組みについて非常にわかりやすく解説されていました。

 

Happy Eyeballsの概念についての説明から、Rubyのコードへ落とし込むまでの流れが非常にわかりやすく、技術面もプレゼンテーション面もお手本にしたいと思いました。

スライド: https://speakerdeck.com/coe401_/an-adventure-of-happy-eyeballs

ドリンクアップ

RubyKaigi 2024 Official Party Day 1(清家レポ)

RubyKaigi 2024 のオフィシャルパーティーに参加しました。

まずは何と言っても、ビーチでBBQを行う事、更にはスケールの大きさに驚きを隠せませんでした。

RubyKaigiの発表の質の高さに興奮気味だった僕は、様々な議論を積極的に行いました。

普段PHPコミュニティで活動している僕は自分自身のトークの質を上げること、PHPとRubyのコミュニティの差分を体験する為に参加していたのですが、コミュニティの人を受け入れる温かさは変わらないと感じ、非常に心地よく参加できました。Rubyコミュニティでよくお見かけする方々とお話する機会もたくさんあり、皆さんと技術談義を行うことは非常に為になる経験となりました。 

オフィシャルパーティーで仲良くなった方々とそのまま次の店に移ると更に技術談義に花が咲き、初日から勇気を出して参加して良かったと感じていました。

Findy Drinkup at RubyKaigi 2024 Day 1(西條レポ)

オフィシャルパーティー後はFindyさんのドリンクアップに参加しました。

RubyKaigiのレベルの高さにびっくりしてしまい、「せっかく沖縄に来たのに何も持って帰れなかったらどうしよう」「他の参加者の話についていけなかったらどうしよう」と不安な気持ちでドリンクアップに向かいました。

 

ドリンクアップでお話しした歴戦のRubyKaigi猛者のような人に、「RubyKaigiは分からないことを楽しむ場」と教えてもらい、2日目からは肩の力を抜いて、分からないことを楽しめるようになりました。

2日目(5/16(木))

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印象に残ったセッション

Leveraging Falcon and Rails for Real-Time Interactivity(森レポ)

Samuel Williams 氏

 

Samuel Williams氏のKeynoteがとても印象的で感銘を受けました。

非同期 Web サーバーである Falcon と、Ruby on Rails の相乗効果 によってゲーム構築を行うという内容でした。

英語でのセッションだったのと、自分のエンジニアとしてのレベル感的にわからない部分も多かったのですが、他のセッションよりも初学者に寄り添っている感じがして楽しめることができました。

また、Samuel Williams氏は繰り返し、「Technology is fun」と話していて、開発を楽しむことを主張していたことが印象的でした。

成長に焦るあまり忘れていた感覚だったので、改めてRubyでの開発を楽しんでいこうと思えました。

RuboCop: LSP and Prism(多田レポ)

Koichi ITO 氏

 

Rubocop LSPとPrismの話を聞きました。

LSPというのはLanguage server protocolの略で、エディタなどで編集や保存した時にFormatしたり、赤線をひいたりするための情報を返すプロトコルのことです。

自分は参加前からLSPという言葉自体は知っていました。

今回、実際のLSPの書き方、パフォーマンス改善、構文エラーがある場合でもできる限り情報を残して解析をするためのパーサに関する変更の話、RuboCopの今後の方針など、RuboCopを実際に書いている人から聞くことができて大変面白かったです。

ドリンクアップ

SmartHR Drink Up at RubyKaigi 2024 Day2 (清家レポ)

 

SmartHRさんのドリンクアップに参加しました。

昨年のRubiKaigiで登壇者された方とたまたま同席になり、RubyKaigiでの登壇について様々な知見を得ることができました。

比較的若手でコミュニティ経験が浅い方々が集まるテーブルだったため、大型カンファレンスに参加するモチベーションや今後のキャリアにどう活かすかについて議論しました。

 

その後、席替えが行われ、VPoEなど技術組織を牽引するリーダーとも会話する機会がありました。

組織全体としてRubyKaigiに参加する意義や、技術戦略についての見識を深めることができ、非常に有意義な時間を過ごしました。

これらの経験を通じて、技術的な知識のみならず、リーダーシップや戦略的視点も広げることができました。

Findy Drinkup at RubyKaigi 2024 Day 2(関口レポ)

 

2夜連続でFindyさんのドリンクアップに参加しました。

2日目の会場は浮島ブルーイングさんでした。

セッション感想にも記載しましたが、登壇者の方と話せる機会があったのが印象的でした。RubyKaigi以外のカンファレンスにまだ行ったことがないので比較はできないのですが、気軽に登壇者に質問したり、深掘りしたりできるのがこのカンファレンスの良いところだと感じました。

参加者は自分と同じような20代でエンジニアになったばかりの方も多く、様々なセッションでの技術の話や、エンジニアとしての苦悩などで盛り上がりました。

Findyさんは今回のために醸造所に行って、オリジナルクラフトビールを用意されていました!

2種類あったのですが、自分はアルコール度数が高い挑戦IPAの方が好みでした!

3日目(5/17(金))

来年は松山

印象に残ったセッション

Ruby Committers and the World(岡嵜レポ)

 

こちらは毎年恒例のセッションですね。

Rubyコミッタ達がこれからのRubyについて白熱した議論を繰り広げていました。

 

当社のSlack上では、

  • コメントで型を埋め込むならこっちの書き方の方が良い
  • async/awaitはあると嬉しいシチュエーションはあるかも
  • deferはそこまで使い所がないのでは?
  • returnという名前のキーワード引数を定義してもアクセスできないような...?(実際にはあることが後ほどわかりました。)

など、参加メンバーからさまざまな意見が飛び交いました。

それも含めて楽しい時間でした。

Make Your Own Regex Engine!(多田レポ)

Hiroya FUJINAMI 氏

正規表現(Regex)は複雑なイメージを持ちやすいのですが、よく使う繰り返しや選択などの機能を実現した正規表現(Regex)を非常に簡単な仕組みを用いて実装できるということを学びました。

とても簡単で自分が聞いた中では一番手を動かしやすいセッションだったので、その日ホテルに帰った後にVM(仮想マシン)を実装し、帰りの飛行機の中でパーサを実装していました。

普段使っているものの仕組みを知ることで、正規表現(Regex)だけでなく、いろいろなものが抵抗なく使えるようになることを実感しました。

ドリンクアップ

RubyKaigi 2024 After Party(森レポ)

国際通りのれん街という2フロアにまたがる屋内の大きな会場で、RubyKaigiの最後にふさわしい大盛り上がりを見せていました。

ヘルパーの方や登壇者の方などが入り混じり、とにかくいろんな方とお話しすることができました。

RubyKaigiのセッションのレベルの高さに愕然として、多分他の参加者の方と話してもエンジニアとして気の利いた話はできないだろうなと思っていましたが、全然そんなことはなくとても楽しむことができました。

意外と自分とエンジニア歴が近い方も大勢いて、一緒に成長していきたいと思える仲間が社外に沢山できました。

次に会うときにはもっと成長して、より深い技術の話をしようというモチベーションを得ることができました。

4日目(5/18(土))

最終日はフライトまで時間があったので、美ら海水族館に遊びにいきました!

美ら海水族館(西條レポ)

最終日は美ら海水族館に行きました!

海の写真

私は動物園や水族館が大好きで、美ら海水族館に行くのは3回目でした。

普段は一つの水槽の前に1時間ぐらい滞在するタイプなのですが、今回は一般的なペースで美ら海水族館を見て回りました。

エメラルドビーチの波打ち際には野生のお魚もいました。

お魚

美ら海水族館の館内 (多田レポ)

ずっと見たいと思っていたジンベエザメと人生初の対面を果たしました。

自分を簡単に飲み込めるような大きさを生で見て圧倒されました。

他にも見たことのない歩く深海魚を見たり加圧水槽の話で盛り上がったりと、RubyKaigiが終わった後もとても楽しい一日を過ごすことができました。

ジンベエザメ

感想

清家 史郎

初めてのRubyKaigiとなりました。

エバンジェリストとしてコミュニティでの登壇を行う立場にあるため、登壇の構成や引きを作るポイントなどに注目しながらセッションを聞いていましたが、各登壇者の質の高さと深い知見に感銘を受けました。

 

普段はPHPを中心に開発を行っているため、Rubyに関するトークを理解できるか不安もありましたが、前段のトークが導入として機能し、知識が積み重ねられていく感覚を得ることができました。

RubyKaigi全体が一貫性を持ち、各セッションが互いに補完し合う形で構成されている点も満足度を上げた要因だと感じました。

 

今回の参加を通じて、技術的なスキルの向上だけでなく、コミュニティ全体としての成長と学びの重要性を再認識しました。

これからは、自分自身の技術力を高めるだけでなく、組織全体の成長を促進するために、今回得た知見を活かしていきたいと考えています。

今回の経験を通じ、よりコミュニティの発展に貢献できるよう、努力を続けます。

山路 直人

今回のRubyKaigiは当日ヘルパーとして参加しました。

Ruby界隈で有名な方とお話しできるなど、参加者としての楽しみ方とはまた別の楽しさがありました。

付随イベントでは、ruby-lspのメンテナーとRuby界隈で有名なベテランエンジニアのペアプログラミングを見れたのが一番の思い出です。

信じられない速度で正確に実装していくのを見て、自分も伸び代だらけだなと感じました。

今年もParser、Wasm(WebAssembly)が盛り上がっていましたが、次のビッグウェーブは何だろうと、次回のRubyKaigiが楽しみです。

関口 陽太

今回RubyKaigiに初めて参加しましたが、自分の中でとても刺激が多い回でした。

大人たちがRubyというひとつの共通点に対して、ここまで熱く語ることはなかなかないのでは?と思うくらい熱気のあるイベントでした。

登壇者やコミッターとの距離が近いことも個人的に素晴らしい点だと感じました。

毎日登壇者やコミッターの方にオフィシャルイベントやドリンクアップで質問することができ、疑問の解消などがすぐにできるイベントとなっています。

会場では凄い人が目の前を通り過ぎたりするので、驚いていました。

RubyKaigiはDrink upなどのアフターイベントが多いので、次回はもう少し体力をつけて参加しようと思います。

英語に関しては、参加前は心配していましたが、想像していたよりも問題にならなかったです。

海外からの参加者もおそらくもっとアジアのエンジニアと技術的なコミュニケーションしたいと思っているだろうし、積極的に話しかけて刺激をもらうことをお勧めします!

一番記憶に残っていることは、mruby/Cとスーパーファミコンのセッションが面白くて、カセットをコンパチブルなメモリとしていたり、また、メモリのアドレスが小さい領域をスタックとして使用することで処理の高速化を図ったり...これもafter partyがないと詳しく聞けなかったことなので、ぜひいろんな人に話しかけることをお勧めします。

西條 未来

初めてのRubyKaigi参加でした。

自分が知らないことがまだまだあることを知ることができ、非常に有意義なイベントでした。

普段仕事をしていると、仕事のことで頭がいっぱいになり、自分の仕事に関わることとその周辺の技術しか視界に入らなくなっていました。

今回RubyKaigiに参加して、普段視界に入らない技術があることを知れたのは本当に良かったです。

スーパーファミコンでRubyを動かせるなんて、RubyKaigiに来なければ考えもしなかったと思います。

来年はまだRubyKaigiに行っていない新しく入った人たちに参加してほしいと思います。

みんなで行きましょう!

そしてもし来年も参加できるなら、運営側やLT登壇などを目指してみたいです。

森 優斗

初めてのRubyKaigi参加でしたが、沢山の刺激と気づき、学びに溢れていました。

その中でも一番肌に感じたのはOSSってこういうものなのだなという再認識でした。

普段何気なく使っている技術は、こういう人たちがこういう熱量でぶつかり合って出来上がっているのだなということを肌で感じて、より技術が身近に感じられるようになりました。

もう一つ強く感じたことは、改めて開発を楽しもうという気持ちです。

未経験から転職をしたばかりなので、早くバリューを出さなきゃ、早く成長しなきゃと毎日焦っていました。

そのような日々の中でプログラミングは楽しいことという気持ちを忘れていて自分を追い込むという感覚で勉強をしていたのですが、純粋に技術を楽しむ人と空間の熱量に圧倒され、価値観が大きく変わった感覚がありました。

最初は自分のレベル感で参加しても良いのかという疑問もあったのですが、大変有意義な経験となりました。

来年「私のレベル感で参加してもよいのだろうか」と迷っている方がいたら、その迷いを振り切ってぜひ参加してほしいなと思います。

多田 信洋

初めてのRubyKaigi参加でしたが、とても刺激を受けました。

元々プログラミングが楽しくてプログラミングを始めたのですが、今では仕事のために必要な分だけプログラミングをしているのではないか?と感じさせられました。

Quine(ファイル読み込みなしで自分自身のコードを出力するプログラム)やShortestコードを書く人、Rubyとはどうあるべきかを考える哲学者のような人、お金ではなく自分の興味のためにプログラムを書いている人たちを見て、私もこのような人たちになりたい、もっと貪欲にプログラムを書きたい!と思いました。

英語が上手に喋れなかったり、単純に疲れたりとあったので、来年も行けるのであればもっともっと準備をしていきたいなと思います。

岡嵜 雄平

Ruby Kaigi 2018, 2019, 2023に続いて4回目の参加ということで、今回は引率者のような立ち位置で参加しました。

他のメンバーに「Rubyのコミュティってすごいな。また参加したいな。」と思ってもらえることを目標にしていたのですが、参加メンバーの声を聞く限り目標は十分に達成できたものと感じています。

RubyKaigiに参加して毎回痛感しているのですが、今回は特に「もっとコードを書きたい」という気持ちが強くなりました。

組込みでのRuby活用にずっと興味があるので、PicoRubyへのコントリビュートを頑張りたいです。

集合写真
Yuhei Okazaki

Yuhei Okazaki

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2018年の年明けに組込み畑からやってきた、2児の父 兼 Webエンジニアです。 mockmockの開発・運用を担当しており、組込みエンジニア時代の経験を活かしてデバイスをプログラミングしたり、簡易的なIoTシステムを作ったりしています。主な開発言語はRuby、時々Go。