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日本の国道沿いの風景を作った男: 渥美俊一

渥美俊一という方について人に布教したくなっているので、飽きない内に書いてしまおうかと思います。
会社の読書発表会もなくなるので、定期的に本の感想を書く機会というのも作っていきたい目論見もあります。

伝説の経営コンサルの著書を読む

サイゼリヤ おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だを読んでいて、その中で登場した渥美俊一という方について興味が湧いたので図書館で本をいくつか探してやっと一冊読み終わりました。

今回、読んだのは流通革命の真実です。
2007年発行なので、やや古い(10年以上前)ですが現在でも十分通用する内容で驚きました。

実績を読むと、日本の小売業で解せなかった部分がだいぶ解明されます。
現状の買い物体験の問題点は、豊かになったから享受できている側面もありながら、それらの問題点を放置し続けているのは、ここ数十年の停滞として批判されるべきなのだなと認識が改まりました。

ちなみに「伝説」なんて大仰に言いましたが、わたしの無知を晒すためなので、「すごい」以上の意味はありません。

渥美俊一 経歴

すでに図書館に返却してしまったのでWikipedia出典ですが、簡単にまとめます:
– 1926年 生まれ
– 1952年 読売新聞社入社。経営技術担当記者に
– 1962年 ペガサスクラブ設立
– 1969年 読売新聞社退職
– 2010年 死去

新聞記者から、転身していくという経歴で昔の新聞記者や教師というのは裾野としてよく機能していたのだなーと郷愁にかられる経歴ですね。
いいものやいい活動というのは、余力からしか生まれずそれを大きくするというのはなかなか余裕がない状況では厳しいなと感じます。

ペガサスクラブ

サイゼリアも加盟している研究団体です。
著書での実績を読む限り渥美俊一さんの研究成果を広めていく教導団体なようです。

経営コンサルティングに限らず、情報収集力を活かした仕入れ業者をしていたり、コンサルっぽく裏で暗躍も昔はしていそうでしたが、もう鬼籍に入られているのでそうゆう裏話がもう聞けないと思うと残念です。(コンプライアンス!

うなぎ絶滅危惧種化問題

この人が直接的な原因ではないのですが、遠因ではあるので言及しようかと思います。
うなぎが絶滅するほど日本にうなぎが流通する以前は、うなぎといえば浜松の養殖場から高く仕入れるしかなかったので数千円するような高価さが普通だったようです。
その状況を打破するために海外での養殖ルートをこの人が開拓しました。

ところが、現状としては時には1000円を切るような値段でうなぎがスーパーで供給され、供給過剰ながらそれでも土用の丑の日としてプロモーションされ続けている現状があります。
しまいには、供給過剰ながら絶滅危惧種リストに加えられるほどまで仕入れて危ない業者とも関係を切れてないというだめな仕入れの見本みたいで、エキサイティングなコンテンツになり果ててるのは愉快です。

批判としては、将来的な安定供給のために資源保護というのは大前提なんですが、経営が安定していないばっかりに将来的な展望が持てない業者が多いのか、資源保護という視点は二の次三の次といった感じで、つらいです。
漁業を産業として長年見ている人に言わせると、日本の漁業の資源保護はひどいという問題にもなるんでしょうけど、仕入れる側も問題を放置し続けるというのは、社会福祉の観点から淘汰されるべきものでしょう。

日本マクドナルド

日本マクドナルドにも草創期から関わっていらっしゃったらしいです。
ただ、想像していたよりも泥臭い話が多くて、藤田田さんとのエピソードがおもしろかったです。

ざっくり箇条書きにすると

  • ガスの規格が日本とアメリカで違って規定の火力が出せなくて、ガス機器を開発した
  • 最初のマクドナルドとのライセンス契約での黒い話
  • パテ(ハンバーグの肉)に使う牛肉が和牛だと高いので、牛脂使ったりした開発
  • 試食の数の目標が全員の総計で、1万
  • 銀座になぜオープンしたのか?

軽視されがちなローカライズを徹底的にやっている姿勢に好感も持ちつつも黒い話もあったり銀座にこだわるところなど、ドラマ化できそうなくらいおもしろかったです。
できればもっと詳しいことが読みたいんですが、マクドナルドに関しては原田体制になってからの方が本が多くて残念です。

カサノバさんが静かに成功を収めていてすごいなーと思うので、カサノバ体制の分析も集めるべきかなーとも最近感じています。

経営コンサルティングとは?

コンサルティングという業務の特質上、どうしても悪目立ちしやすくてすごい人というのは認識しづらいということを改めてよくわかりました。
うまく行っている内は、部外秘だったり自分の手柄だと思いがちなので難しいんですね…。

とはいえこの人がやってきたことは普段イメージする経営コンサルティングとは少し違っていて、本当に「なんでもやる」というのが衝撃的でした。

フィクションなんですが、鉄血のオルフェンズ内の経営を考えるような

鉄華団に足りないのは顧問弁護士説、割と事実だと思う。

https://mobile.twitter.com/kurotoya/status/1094596668362698754
というのは発想の1つとしていいんではないかなーと感じたり、職として成立させるには結局みんななんでもやるんだなーと悶々としました。

ドラマBiz よつば銀行 原島浩美がモノ申す!~この女に賭けろ~ 4話

ちょうど見ていたドラマでこの人がやりそうなことのお手本(ただし現実でそんなにうまく行く気がしない)みたいな提案をしていたので、紹介します。
テレ東自体が日本経済新聞社資本なので、それらしい監修が入った結果だとは思うんですが、日本ではスタンダードだけどなかなか一般受けしなさそう(いいのかな…?)でよかったです。

あらすじは、実績が低いけど能力を発輝できていない銀行員が一皮むけて、問題点を克服する提案をして取引先との信頼を勝ち取ってめでたしといった感じでしょうか。
ドラマ部分は今回は関係なくて、提案内容が拡大はあとでもできるので、拡大のための投資を先にするというものでした。
今回のドラマのテーマとしての管理職として何を求められるかというのは重要なんですが、そんなのできたらたぶんみんな苦労してないというつらみがあって言及はしたくないとも言いますが…。

「ディスカウント タバタ」というのが取引先なんですが、うまく行っているようで、今後の拡大には準備が足りない描写はありがちなところをおさえていてよかったです。
– 仕入れが不安定
– 店ごとのサービスの品質にばらつきがある
– ライバルが多い

拡大としてのチェーンストアとしてはありがちで、数十億を投資しても金ドブになりそうで怖いんですが、世の中の銀行員の方が、とりあえずイケイケだから融資するというノリだったらこわいなーというアレさでした。
ディスカウントストアとしてこれ以上拡大しない場合は特に問題ないんですが、仕入れの不安定さはチェーン拡大で致命的にしかならなさそうで楽しいそうですね!
ここら辺の描写がちゃんとできるのは、日経資本なだけあって他の民放でやってしまったらもっと雑かふわっとした感じで終わりそうだと思うとテレビ東京ってしっかり作ってるなーと思います。

提案内容自体は、そんなに面白くなくて、情報通信関連の設備投資でした。
IT企業としては5億でどんなシステムが作れるのかは興味があったんですが、あくまで上流の更に上の話なので、今後頑張って要件定義して仕様作ってみたいなことがあるのかなー程度の想像しかできません。

余計な感想ですが、真木よう子、美人だと思うんですが、役者さんとしてもっと滑舌を改善していだたけるともっといいと思います。

業務に応用してみたい

渥美俊一という人が分析したのが、大衆的な外食・スーパー・大手物流なので、情報・通信に関してはかなり未着手です。
分析手法がそのまま使えるとは思えないんですが、応用することは可能でないかと思っています。
ペガサスクラブの文書は広く公開されていないので、出版されてる本などを今後漁ってみようかと思います。

それだけだとアレなので現職っぽいことを言ってみると、この人が目指したチェーンというのは我々が時に言う「スケールする」という言葉に親しいものを感じました。
スケールする設計は将来的な安泰をある程度保証してくれますし、スケールの見通しが甘い設計に我々は時に苦労します。
日頃から、チェーン化の意識は無理なんですが、「スケールする」ように意識はしていきたいものです。

国道disについて

よく日本の国道はあるお店が似通っていてつまらないと言われるんですが、この本を読んだあとは、つまらないという認識はそんなに変わらなかったんですが、見方はとても変わりました。
スーツを着る文化がもともとなかった日本で洋服の青山やアオキでスーツが簡単に買えるというのはチェーン化や流通の改善による豊かさの享受で、実際に店内をよく見てみると下手な専門店よりも安くて品質の高いものが手に入ります。

渥美俊一さんの「安くていいものを」という理念の体現ですし、細かく分析してみると退屈しない発見がいっぱいありました。
国道沿いのお店をバカにしている内は世界を目指すのが難しいと感じるくらい、そういったチェーン店は様々な努力の結晶です。

とはいえ最近は限界を感じるようなところが多いので、もっとがんばって!という気持ちもあります。

おわりに

いかがだったでしょうか?(言ってみたかった)
テックブログで読書感想文書きたい病を患ってしまったので、弊社のテックブログでもっと気軽に読書感想文書く機会が増えればと思います。

タイトルはすごい個人的な偏見が入っているので、アレですがそうゆう認識なので勝手につけました。
タイトルつけるセンスのある人が羨ましいです。

日本のビジネス書はどうしても海外の新しそうな(実際それほど手法として新しくない)事例を紹介しがちなんですが、そうゆうビジネス書になってる段階で、手法自体が時代遅れになっていることが多いと感じます。
なので、どうせ周回遅れでやるなら数十年前の事例をひっぱってきたりした方が有益だと思います。
参考になるような名経営者というのは日本にかなりの数います(とはいえかなりが鬼籍に入られてしまいましたが)し、それらに見向きもしないビジネスマン何をやっているんだろうか?とここずっと思っています。

古典というのはやはり教養として重要なんですが、古典を復活させ続ける営みとセットだと思うので、広げ続ける難しさを想像します。
昭和元禄落語心中はいいぞ!

技術開発部門所属
一番好きな言語はC++です。

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